水は命の源(みなもと)であるとともに、社会のあらゆる活動に欠くことのできない貴重(きちょう)な資源(しげん)です。
群馬県の大水上山(おおみなかみやま)に源を発する利根川(とねがわ)は、下流の首都圏の人々に毎日の生活用水を供給(きょうきゅう)するとともに、広大な田畑を潤(うるお)し、多くの工場に利根川の水を供給しています。
しかし、わたしたちの生活に欠くことのできない水も、無尽蔵(むじんぞう)にあるわけではなく、必要なときに必要な量の水を確保するために、たくさんの人々がさまざまな努力を重ねています。
また、この貴重な水を将来にわたり安定して利用していくためには、森林の役割、ダム建設に伴う影響、河川の水質保全(ほぜん)、水を大切に使う取り組みなどの課題(かだい)について、上流と下流で生活する双方(そうほう)の住民が互いに理解(りかい)を深め、連携(れんけい)して取り組まなければなりません。
このような上流と下流に暮(く)らす人々が相互(そうご)理解と連携を目指す取り組みを「上下流交流」といいます。
利根川上流にある群馬県と、下流の東京都は、人々の交流を通じて相互の理解を深めることを目的に、利根川水系上下流交流事業実行委員会を設立し、小学生と保護者による相互訪問などの交流事業や水に関する啓発(けいはつ)事業を進めています。